つぼいさとしの気まぐれ日記

日常の中で刹那に思ったことをつぶやきます!よろしくお願いいたします!

自分らしく生きるとは何なのか

みなさんこんにちは!

つぼいさとしです。

 

今日は読書感想回。

きっかけは自分が本を書くようになってからですが、

本を本当によく読むようになりました。

 

最初は語彙力の向上のための勉強も兼ねて、

小説を中心に読んでいましたが、最近ではビジネス本や、

少し毛嫌いしていた自己啓発系の本もと、幅広く読み始めました。

 

今日はつい先日読み終えた小説の感想を綴ります。

 

小説の名は、『火花』

お笑い芸人、ピースというコンビで活躍されている、

又吉直樹さん作で、第153回芥川賞受賞作です。

 

お笑い芸人が受賞したこともあってか、

当時はかなり多くのメディアに取り上げられてましたよね!

私は読書にハマったのが最近なので、

ずっと認知はしつつも読んではこなかったのですが、

そもそも芸人:又吉直樹さん個人が大好きなので、

今回購入して読んでみました。

 

最高の作品だったので、その紹介をさせてください!

 

※火花のAmazonリンクはこちら👇👇

www.amazon.co.jp

 

▼簡単なあらすじ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

面白いことを追求する主人公、徳永。

花火が彩る夜空の元、道を行き交う誰にも興味を示してもらえない中、

主人公とその相方が漫才を披露するシーンから始まる。

そして悔しさや虚しさを感じたその土地で、

徳永は運命の人で、メンター(師匠)になる、年上の芸人先輩、神谷と出会う。

神谷も決して世間的に言う、売れている芸人ではなかった。

しかし徳永は、悪意のないまっすぐな気持ちで、

面白いを追求し、世間に迎合せず、その瞬間瞬間を生きる神谷の姿に、

憧れを抱くようになった。

後先考えず行動する神谷と共に出会う出来事は、楽しくもトラブルの連続だった。

徳永と神谷、二人の芸人人生を細く丁寧に、鮮やかに描きながら、

「面白いとは」「漫才師とは」「個性とは何か」「人生の美しさとは」

あらゆる観点から深く考えさせられる、そんな多角的な作品です。

 

▼実際に読んでみての感想

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

本当に最高な作品でした。

個人的に思うポイントを一つご紹介させてください。

 

○主人公の徳永が、作者:又吉さんとどこか被る気がする

私の完全な主観的感想です。

なんだか主人公を見ていると、

テレビで見る又吉さんを想起させるような描写があるんです。

主人公は芸人ではありますが、

いわゆるクラスの人気者!タイプではなく、

比較的暗めで、はっちゃける人ではありません。

神谷の前では極めてよく話しますが、その他の人に対しては必要最低限。

芸人さん特有の素早い話も苦手。

だからこそ、それらを地でいく神谷に憧れを抱き、弟子にと懇願する。

この本を読み終えた後、もう少し又吉さんのことが知りたいと思い、

インタビュー動画とかをあさりました。

そんな時、、、

 

NSC(吉本のお笑い養成所)で講師の方に、君は無理してるだろ?」

「芸人に必要なのは、明るさ・清潔さ・わかりやすさだ。

お前にはその全てがない」

 

そう言われたと話す動画を見つけました。

普通そんなこと言われたら心が折れて、目指した道を諦める人も多いと思います。

しかし又吉さんは、元々そんなに自分への期待値が高くなかったこともあり、

それを受け入れ、自分なりのスタイルで進むことになった様です。

 

この点がすごく主人公の描写にマッチしている気がしました。

主人公は自分があまり芸人らしくないこと、

そしてそこからくる、評価されず一気に売れることができない現実。

主人公はこの物語の中で、結果そこまで売れません。

でも最後は相方の結婚を機に解散するのですが、

その解散ライブは本当に美しく、充実感と幸せに満ちた描写でした。

ふと思ったのです。

神谷という、売れなくても自分らしく生きる人に出会い憧れなければ、

主人公は途中で芸人を辞めていたのではないかと。

神谷という自分がなれない、憧れた人がいたからこそ、

今の自分を受け入れ、そのまま努力して突き進めたのではないかと。

 

主人公の生き方を通して、

作者:又吉さんなりの、社会の荒波を進む我々へのエールをいただいている気がして、

いやそうとしか思えないほど、なんだかほっこりする物語でした。

 

▼まとめ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この動画でも又吉さんはおっしゃっていました。

 

www.youtube.com

 

ちょっと自分なりに表現変えてます

「自分はこうでなくてはならない。

そういう人がたくさんいる中で、自分が評価されなかったり、怒られたり、

そういったことがあるととても辛いと思います。

でも、ああ、自分は確かに現状そうだなあ。

みたいな少し自分に対し俯瞰した見方ができると、

そんな心構えがあると楽になる」

 

なぜタイトルが「火花」なのか。

儚い一瞬の美しさを表す言葉で、

芸人さんの物語にしては少し縁起が悪い気もします。

実は物語の中で、借金が膨らんだ神谷は1ヶ月飛んでしまい、

とある場所をなぜか整形して戻ってきたんです。(胸を大きくした)

その方が漫才する時に面白いのではないかと、ただその一点を思って。

主人公はあきれながらも、相変わらず自分らしく生きる神谷を美しく思い、

物語が終わります。

そして、最初は花火のシーンから始まり、終わりでも花火のシーンがあるんです。

 

さらに、、

「生きている限りバッドエンドはない。僕たちはまだ途中だ。

これから続けていくのだ」

 

という言葉も作中で最後に登場します。

 

「花火のように、一瞬一瞬を自分なり全力で生きればいい。

その姿が美しく面白い。それでいいじゃないか」

 

そんな風に、優しい言葉で又吉さんからエールをもらった気がしました。

だからこそ、火花という言葉をタイトルにしたのかなあと。

 

決してそんなに優しい物語、、というわけでもないのですが、

どこか読み手の人生を暖かく包んでくれる様な、

そんな不思議で素敵な小説です。

 

気になった方は、ぜひ手に取って読んでみてください。

 

それではまた次の記事でお会いしましょう!

 

▼本を出版しています。レビューなど書いてくださると泣いて喜びます(ΩДΩ)

www.amazon.co.jp